IUS(Intra Uterine System)ってご存知ですか?
女性の子宮内に黄体ホルモンを持続して放出する子宮内システムのことで、過多月経や月経困難症の治療や、避妊効果を目的に使用されるものだそうです。
「ミレーナ」とは商品名ですね。
今回は、筆者が実際にミレーナを装着し始めてみましたので、それに至った背景をお伝えします。
ミレーナ装着までの背景
私は、小学生で初潮を迎えて以降、月経時の経血が多く何かと困り事がありました。小学校の授業で登山があったのですが、ちょうど月経と重なり「頻繁にトイレ行けないし、エチケットボックスも無いだろうから、出たゴミをどうしたらいいのか・・・」と朝からブルー。多い昼用ナプキン1枚では到底1日保たないだろうなという自分の見積もあったので、母と作戦会議し、昼用ナプキン2枚付けで出かけた記憶があります。オムツのようにショーツはパンパンで蒸れも酷かっただろうし、他にも吸収力が高くて薄いナプキンやタンポンという選択肢もあったのでしょうが、家に便利生理用品のラインナップが常備されてる訳でもありません。そして、月経というやつは突然やってくるので、買いに走る暇も無い。。
中学・高校・大学と大きくなってからも、経血が一番多い日はナプキンからもれ、ズボンまで血で汚れることも珍しくありません。椅子に血がついてしまうのではと毎月ハラハラしましたし、月経周期もしばしばズレるので、色の薄いズボンはずっと履けません(今日、始まっちゃうかも、、と心配になって、月経時だけでなくいつも履けないんですよね。。)。社会人になってからも、夕食に招いてもらった友人宅の椅子に血をつけてしまった時は、パニック!頭真っ白で、どうやって対処したのか、もはや記憶にありません(ごめん、友人・・・)。
そして、成長と共に顕著になってきたのは「生理痛」。腹痛、腰痛、頭痛、めまいがする感覚。特に腹痛はひどく、対処方法がわからない頃は、横になるしかなく、ひたすら寝ていました。けれど、学校の授業は休みたくないので、無理やり登校→授業(もちろん体育も無理やり出席)→休憩の度に、机に埋もれる・・・を繰り返して、なんとか凌ぎます。「鎮痛剤」を知ってからは、月経が始まるとさっさと薬を飲んで、効果が切れる頃にまた飲んで・・・でも、薬ばっかり飲んで、なんか変じゃないの??という薄い疑問は持っていたけれども、それに生活を助けられている自分がいる。お守りのように、手放せない存在になってしまいました。
社会人になってからは、温めれば、痛みが和らぐということを発見!腹巻き&腹・腰にカイロ、レッグウォーマー、熱いお湯かお茶(ホットコーヒーはなぜかダメなんですよね。)の出立が毎月のルーティーンになりました。上手くいけば、鎮痛剤なしで終えられる月もある!夏でもこんな格好なので相当へんちくりんですが、これで生理痛が和らぐならなんのその!と、痛みとの付き合い方が上手くなってきました。
ただ、この頃から「イライラ」という強敵も現れ始めました。おそらく、社会に出て様々なストレスに晒されるようになった事と関連しているんだろうな〜と自分では分析しています。このイライラというやつに対してはどうしようもなく、為されるがまま、怒ったり悲しんだり、感情が上下し振り回されていました。パートナーはとばっちりを受けて迷惑この上ない話です(ごめん、夫・・・)。
今思えば、学生の頃の唯一の相談相手であった母も当時の私も、月経や関連用品に対する知識があまりに浅かったなと振り返ります(そもそも、「フェムテック」という言葉も最近できたし、この20年でグッと便利なグッズ増えてきたんですよね。だから当時は知る由もなかったのかも。)特に、医療の側面から考えるという発想はなかったんです。ましてや、私は最初から経血量が多かったですし、流石に母にも、経血がついたナプキンを見せたことはなかったので、これが多いのか少ないのかもわからない。友達同士で、月経について話すこともなかったので、自分の経血量や生理痛の程度を推し量ることもできない。つまりは「月経ってこういうもんでしょ」と思っていたのです。そして、数日我慢して月経が終わってしまえば済んだことで、また翌月までは月経のことは考えない。その繰り返しで、深掘りして考え対処することはしませんでした。
ところが、子どもを産み、アラサーになって、急に体の変化や衰えを感じ始めた。「自分の体と健康」に強い興味を持つようになりました。同年代の女友達とも月経についての話もするようになって(なぜ、学生の頃はあんなに月経について話しづらかったのか不思議なくらいです。)、初めて「おや?私、月経きつい方なんじゃない?病院行って相談してみてもいいレベルじゃない?」と自覚したのです。
どうしてミレーナを選択したの?
ちょうどその頃は、長男・次男を産み、乳幼児子育て真っ最中で、自分の病院に行ってる暇ゼロ!の毎日。そして、妊娠→母乳のおかげで月経はしばらくお休み(月経が無い日々ってなんて自由なの!と感激。)。その子育て期間中に「IUS(ミレーナ)」という存在を知りました。NHK「あさイチ」で生理の特集をしていたと記憶していますが、そのテレビ番組によると、どうやら、生理痛はめちゃくちゃ軽くなって、なんなら人によっては出血そのものも激減するIUSってものがあるらしい。ほう、なんとそれは興味深い(実を言えば、その時は本当の初耳ではなかったと思います。中学の保健の授業で、避妊方法について5種類くらい例示されていたような薄ーい記憶。そうか、その中の一つだったのか。全然意識してこなかった。)。計画していた子どもを全員産み終えたら、その時こそ、病院に行って試してみよう!とワクワク、その時を待ちます。
もともと最大3人は子どもを産みたいな、と考えていました。ありがたいことに希望通り3人目の長女が授かり、出産。長女はミルク育児だったこともあり、早々に月経再開(ミルク育児には大変助けられましたが、この点だけはちょっと泣きそうだった。えっ、もう!?という感じで。)。再開した月経はやはり経血も多く、生理痛もあり、迷うことなく婦人科受診を決めました。
婦人科で相談し希望したことは「経血多く、生理痛重く、貧血気味でもあるので、ピルを処方してほしい」ということ。体内に装着するミレーネは、精神的なハードルが高く(やっぱちょっと怖いよね)、まずは薬で月経が軽くなるのかを体験してみたかったのでピルにしました。
処方されたのは低用量ピルで、毎日1粒ずつ飲み続けるものです。この効果は抜群!まず、経血量はかなり減りました。月経カップを使用していれば、薄い昼用ナプキンで全日対応できる程度に。生理痛もほぼなくなり、快適な毎日です。月経周期もコントロールされ、毎月しっかり28日で月経が来るので準備もできます。
半年ほどピルを試し、難点は3点。1つ目は、毎日飲み続けないといけないということ。外泊の時など、しばしば飲み忘れてしまい、飲み忘れると出血が起きてしまったりして、これはちょっと面倒だなと感じ始めました。2つ目は、費用。私の場合、保険適用はできず自費での購入となりました。毎月3,000円の出費。ふむ、地味に痛いぜ。3点目は通院の手間。ある程度まとめて購入できるとはいえ、薬の購入のたびに婦人科へ赴く必要があり、時間的な負担は大きいと感じました。
それに対してミレーナはどうか。
ピルの難点1つ目の服用の手間は、装着してしまえば5年間効果が続くので、クリア。
2つ目の費用は、ピルが3,000円✖️12ヶ月✖️5年間=18万円に対して、自費の場合5〜6万円程、保険適用されれば1万円程度とミレーナに軍配。
3点目の通院は、ピルは半年分まとめて購入するとして2回/年✖️5年=10回に対して、装着日・1ヶ月後・3ヶ月後・6ヶ月後・1年後・以降年1回の計9回で、こちらはとんとん。
うーん、やはり、ミレーナを試してみたい。特に服用の手間と費用の差は大きいな。
ここまでの考察過程を経て、ミレーナを希望するに至りました。次回、実際に装着してみての感想をお伝えします。